日本文化の素晴らしさ・コンテスト作品にこめた思い・・・ |
いまさらのようにコンテストのことを書くことになりつつありますが・・・
今回のコンテスト作品、
自分の作品は載せないつもりでしたが
今回のコンテストから、
会場内での撮影OKとなり、
(これまではNGだったので、たまに皆さんから作品を見たいとありがたいご要望をいただいても、
著作権上のこともあり載せるのをひかえていました)
入賞も逃したつたない作品にも関わらず、
多くの方が私の作品を撮影くださっておられたようなので、
少しこの作品に対する私の考えや思いなど、
ここに書いておいたほうが・・・
という思いを抱きまして、記事にすることにしました。
写真に撮られた方がこのブログをお読みになる可能性は高くないとは思いますが、
一応私なりに、思い入れのある作品なので、
書かせてくださいね。
※勝手ながら、作品画像は、期間限定公開とさせていただいたため、
現在はブログから外させていただきました。
大変恐縮ですが、ご了承くださいませ。
私は、「ブライダルブーケ部門」に出展。
和装での、婚礼の花として、
このようなブライダルブーケをデザインしました。
ん~写真で見ても、
反省点が見えて、載せるのがちょっと恥ずかしくもありますが・・・(そのためちょっとちいさめに載せた・笑)
わかりにくいかと思いますが、
これは「熨斗(のし)」をモチーフにしたデザイン。
婚礼というおめでたい場面にふさわしく、
熨斗で包まれた「花熨斗」を花嫁のブーケにしています。
今回の作品をデザインするにあたり、
「熨斗」というものを背景にした、
日本の文化の奥深さ、素晴らしさを、
改めて知りました。
「熨斗」は、
祝いの場面で用いられるもの。
現在では贈りものの菓子折りなどに、
印刷されたのし紙などをつけたりしますが、
本来、
けがれのない清浄なものを包むという意味での紙、
祝いの心を伝える意味での水引・・・
など、
それぞれに意味をもち、
日本人が大切にしてきた、
慶び事に際しての幸せを願う気持ちや敬意、誠意がそこにこめられています。
私のこの作品での、
花とともに長く伸びた数本の曲線は、
じつは
よくのし袋などに印刷されている「熨斗鮑(のしあわび)」
という、あわびを伸ばしたものがモチーフ。
格式ある結納の席でも
神の供物である贈答品として用いられる熨斗鮑。
祝いの気持ちや誠意を表わす、
最高級の贈り物でもあった、
この熨斗鮑のモチーフは、
祝いの場面や婚礼衣装の文様などとしても、
現在でもその文化が残っています。
また、
この熨斗折りを研究するうちに、
折形に込められた
心を伝える、という日本の文化の奥深さや美しさもわかってきました。
そのほかにも、
さまざまな意味、歴史、決まり、
といったものを知り・・・
そうした、
日本人が古くから大切にしてきた文化、伝統にふれるうち、
これらをモチーフとして作品化するにあたっては、
決してこれらを
遊び半分で使ってはいけないな・・・という思いを抱くようになりました。
なので、
私なりに、
日本の文化と、花への、
精いっぱいの、
誠意と、敬意をこめて、
制作・作品化させていただいたつもりの作品です・・・。
まあ、それが伝わる作品になっていたかわからないけど~^^
若いころは、
海外の文化と接する機会が多く、
どちらかというと、
和風のものより、
西欧的なもののほうが好きだった私は、
以前は日本のよさというものをわかっていませんでした。
そんな私が、
年齢を重ねるうち、
日本的なものに関心をもち始め、
そして、
「日本人って素晴らしいな・・・」と、
日本のよさを強く認識したきっかけとなったのは、
東日本大震災の後からでした。
あのような大きな苦難に直面しても、
お互いを思いやり、励まし合い、
辛抱強く、節度をもって、
苦境を乗り越えようとする東北の方々。
心をひとつにして、
助け合い、支え合おうとした、
日本人の姿に、
世界中からも称賛のエールが広がった。。。
たくさんの命が犠牲となった未曽有の災害は
決して起こってほしくはなかったけれど、
その苦難を乗り越えようとする姿の中に、
日本人って、こんなに素晴らしいんだ・・・
と、思えるものを見た気がしました。
そこから、
私は、
日本のよさをさまざまな形で見直すようになり、
日本の文化や美意識、感性といった中に、
大切にしていきたいもの、
受け継いでいきたいものを感じるようになりました。
あれから、5年が経ち・・・
苦難が続く日本の中で、
いつのまにか、
そんな日本人のよさが
見失われてしまっていないかな・・・と思うこともあって・・・
私は、
今回の作品制作を通して、
改めてそんな、
日本の文化の奥深さ、
そこに込められた美しい日本人の心といったものを知ることができました。
できばえとしては、
あとで振り返ると
もっとこのように作ればよかったな・・・
と自分で思う点もあって残念ではありますが、
思ったよりも、
多くの方からありがたいおほめのお言葉をいただいたり、
意外と会場内でも
ご興味をもってくださったお客様も多かったようで、
私も、
今回の作品は、
制作を通してさまざまな学びや気づきを得られたことを
感謝しています。
だから、
決していいかげんな思いだけで、
この「花熨斗」を作品テーマとしたわけではないこと、
書いておきたいなと思いました。
えらそうなことを書いてしまいましたが、
実際の私は、
まだまだ、
そういう伝えたいことが
十分作品の中で伝えきれるものとなり得なかったから、
評価されなかったのだと思いますし、
それを今後の反省点として生かしていきたいと
今、思っています。
次はきっと、
花を通して、
人々の心に響く、
作品が作れることを目指して・・・
これからもがんばっていきたいと思います。
長々といろいろ書いてしまい失礼いたしました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
(作品写真、掲載は期間限定に
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こんにちは^_^
日本の文様はどれも意味があって奥が深いですね。
実家の石川県の能登では「花嫁のれん」という結婚式に際しての儀式があって
その時ののれんもまた意味ある文様を花嫁さんの実家のご両親がしつらえます。
一度、いろいろ調べたことがあって、すずさんの今回のお話にも繋がり楽しく拝読させていただきました。
日本文化は廃れる一方ですが、ぜひ残ってほしいですね。
いつもすずさんの作品にははっとさせられるっていうか大好きです。
わたしも、若いとき?日本で生花を習ってたとき、はっきり言って、好きではなかったのです、でもアメリカでウェスタンのデザインを習うようになって、日本の生花がどれだけすばらしいものか思い知らされました。
全ての基礎がつまってるんですよね〜、私のルーツはやはりニッポンです(笑)
作品をご紹介くださって、とても嬉しいです
素敵な作品ですね~
「熨斗鮑(のしあわび)」、初めて知りました^^;
日本の文化は素晴らしいものがありますね
何かあった時の日本人の振る舞いの美しさ、忍耐強さ、
同じ日本人として、誇らしく、日本人の良さを発見した気がします
失われてほしくないですね
日本の良さを大事にしていきたいです
お疲れ様でした^^
花熨斗、素敵な作品ですね☆
美しい流麗な熨斗のモチーフが
寿ぎの気持ちを表し、優雅な花嫁のブーケになっていますね。
私も若い頃は西欧文化の華やかさが好きだったのですが
日本古来の手仕事や文化は、
手先の器用さ、忍耐強さをもった職人さんたちが、引き継ぎ今も、各地方にその文化根付いて素晴らしいと思うと同時に、後生に遺し伝えていかなければならないと思います。
作品に対するすずさんの思いを聞かせていただき感銘を受けました。
期間限定で掲載された作品を拝見できてよかった!
流れるようなラインと凛としたたたずまい、
熨斗のモチーフに込められたすずさんの思いを
知ってなんだか涙が出そうです。
いつも真摯な気持ちでお花に向き合っていらっしゃるのが
伝わってきます。
素敵・・・
私も海外のものばかりに憧れたこともありましたが、
アメリカに住んで、日本の良さを再発見した気がします。
日本の伝統美、大切にしたいですね。
ご返信がすごく遅くなってしまって・・・
本当に、大変な失礼、申し訳ございません。
花嫁のれんのお話、
一昨年能登を旅した時、
地元のガイドさんからお聞きしました。
よき風習を残そうと、
各ご家庭の花嫁のれんを展示するイベント(というのかな?)もあるそうですね。
本当に、だんだんと失われつつある文化も多くありますが、
日本の特有のよさを残すさまざまな文化や風習、
そこにこめられた日本人の美意識や思考など、
よいものをいい形で後世に残していってほしいものですね。
コメントくださって、ありがとうございます♪
またまたご返信がとても遅くなってしまって、
本当にいつもすみません。
そうそう、若いころって、
いけばなとか、堅苦しい感じとかあって、
私も、みんなおんなじようにしなきゃいけないところとか、ちょっと古いんじゃないか、なんて思ったりしたときがありました^^
ウエスタンスタイルの合理性も、良い面もあるし、
それぞれによさがあるんですよね。
日本のいけばなとか、古来からある文化には、
日本人特有の自然とのかかわり方や思想がそこに反映されていて、しかも本当に匠の技術や美意識があるということ、
案外海外の文化を知ってからでないと気づかないことも多いかもしれませんね。
cloverさんのお花、
日本的な確かな技術からなるものを感じることがあります。だからなおさら好きなのかも。
cloverさんに嬉しいコメントをいただけて光栄です。
すごく励みになります。
本当にありがとうございます。
作品に嬉しいお言葉をくださって光栄です。
なぜか曲線的な流れのあるラインが私は好きみたいで、
今回の作品もそういう自分のテイストが出たのですが、
そこをおほめいただけてとても嬉しく思っています。
そうなんですよ、
のしって、すごく奥深いんです。
ものを贈るときに、日本人は誠意をこめて紙に包んで渡す文化が古くからあったということが、
今回の作品作りを通してよくわかりました。
今で言えばラッピングということに近いようにも思われそうなのですが、
日本の包むという文化は、それ以上に奥深く、そしてとても美しいものでした。
日本の誇れる文化だと思います。
海外の方が知ると、日本人以上に興味を持たれる方も多いんじゃないかと思いました。
なおこさんに、
末広がりとおっしゃっていただいて、
そういうふうにも見ていただけたなんて嬉しいなと思いました♪
ご返信がすごく遅くなってしまいまして・・・
ご覧いただけるかな?と思いつつ、
遅ればせながらお礼のご返信をここに書かせていただきます。
長い間、本当にお疲れさまでした。
彦星さんのブログ、
本当にたくさんのファンの方がいらしたと思います。
私もその一人でしたので、
とても残念なのですが、
いろいろ考えられての勇気あるご決断、
新たな形でのスタートに、心からのエールを送らせていただきますね。
これからも、
自然の中での生き生きとした植物の息吹、
彦星さんのお優しいまなざしで、
大切にお写真に残していってくださいね。
こちらこそ、これまでこの拙いブログに応援のお気持ちをくださって、
本当にありがとうございました。
よかったら、これからも遊びに来てくださいね。
こちらこそ、
作品をご覧下さり、
温かなお言葉をくださって嬉しいです。
本当に、
なにかあったときの日本人は、
自分勝手なふるまいや暴動をおこしたりといった事態に陥るのではなく、
秩序と節度を持って、
お互いのことを考えて支え合い、励まし合おうとするような、
振る舞いの美しさや忍耐強さがありましたね。
私も海外の人から見た評価から知り、
日本人のよさを再確認しました。
けれど、ここ数年、
進まない復興や経済的・社会環境的に受けた打撃などによる低迷が深刻化する中で、
心身ともに疲弊する人が増えてきたのか、
次第に日本人の本来持っていたよさが失われつつあるかも・・・と思うことがあるんですよね。
オリンピックをひかえて、
海外に対しての日本の対応力が問われているからこそ、
日本人が本来持つよさを見失わないでほしいものですね。
のしの文化ひとつとっても、
そうした日本人のつつましやかで礼儀正しく、
さりげない美意識と誠実さがあふれていました。
そういうところ、
大切に受け継いでいきたいですね☆
コメントをありがとうございました。
ご返信がとても遅くなって、本当にすみません。
コンテスト作品への温かなコメント、
とても嬉しいです。
素敵なコメントをいただけて、とても大きな励みをいただきました。
そう、西欧の文化って、
華やかでおしゃれですし、
私も若いころはとても憧れたんです^^
今でも好きですが、
日本の古来からある芸術性や文化は、
やっぱり私たち日本人ならではの
細やかさや思慮深さなど、
知ると感激するような奥深いよさがそこには込められているものなんですよね。
本当に、そういうことを知ると、日本人でよかったな、と思いますし、
後世に受け継いでいきたいですよね。
共感いただけてとても嬉しいです。
コメントを本当にありがとうございました。
作品見ていただけて嬉しいです。
そろそろ、作品画像は消そうかな、と思っているので、
その前にprimarosaさんにご覧いただけて、
私も嬉しく思っています。
primarosaさんの心のこもったコメントに、
私も嬉しくてありがたくて、じーんとなりました。
そうですよね、
一度海外の文化にふれたことがある人のほうが、
日本のよさをより理解できるような気がします。
海外にも、もちろんその国独自のよさがいろいろとあるのを私も感じるのですが、
やはり私たちは、
日本人ならではの感性や文化の奥深さに、
美しさや共感を感じて、
それを誇りに思えるものですよね。
日本人が大切にしてきた、日本人のよさ、
美しい文化を、
見失うことなく大切に受け継いでいきたいですね。
嬉しいコメントを、
本当にありがとうございました。