翼をくれた、輝く命。。。 |
穏やかな光を受けて、
そっと輝く草花たちが愛おしい・・・

エノコログサを見ると、
とても大切な、恩師のことを思い出します。
フラワーデザイナーとして、
とてもお世話になった、素晴らしい先生でした。
この世界ではトップクラスの技術とセンスをもっていた先生。
初めてご指導いただいたとき、
この先生の手にかかると
花たちが魔法のように生き生きと美しく輝きだすように見えて感激したのを覚えています。
花を心から愛しておられて、
花を扱うのが楽しくてしかたないというのがすごく伝わってくるかたでした。

実は私、
以前デザイナーとして、ちょっとスランプに陥ってしまったときがあって。
自分に自信をもてなくなっていた、
そんなとき、受ける機会があったこの先生からのご指導。
いつのまにか、こちらまで花にふれているうちにうきうきワクワクしてきて。
「花って、なんて楽しいんだろう」
「そうだった。花を扱うのは、こんなに楽しいことだったんだ」
・・・と、忘れかけていた初心を、思い出させてもらったのでした。

天真爛漫で、
永遠の少年のように、目をキラキラさせて、
花を自由自在に操っておられた先生。
天才肌で、
誰も真似できない個性的な作品、
美しい作品の数々を生み出し、
多くの人のリスペクトを集める、憧れのデザイナーでした。
野に咲く花のような素朴な草花や、
枯れもののような素材さえ、
とても素敵に作品に取り入れる先生で、
このエノコログサも、
「道端にすごく生えてるところがあったから刈ってきた♪」
と、私たちのために、ニコニコしながらどっさり持ってきてくださったこともありました。

そして、
なぜか、こんな私にもとてもよくしてくださり、
講座でお会いするたび、温かいお言葉をくださった。
ある日の講座で、
なんのマグレか私が作品をとてもうまく制作できた日があり、
先生もとても気に入って下さったようで、
「いや~今日は本当にいいものを見せてもらった。本当にありがとう。」
と、余りあるほどのお言葉をいただき・・・
そのときは本当に嬉しくて胸がいっぱいになりました。
「腕を磨いて、また会おうな」
そうおっしゃって、強く握手してくださった。
・・・それが、先生とお会いした、最後の機会になってしまったなんて・・・

ちょうど一年前の今の季節、
突然届いた訃報。
脳梗塞で、突然、天国へと旅立ってしまわれたのでした・・・。
あんなにお元気でご指導くださってたのに。
次にお会いするときは、
もっといい作品を作って、
先生に認めてもらいたい、
そう思っていたのに・・・
またお会いできることを楽しみにしていたのに。

突然のお別れは、
今もどこか信じられず、
この一年は、
ふとしたときに、
もうご指導いただけないんだ・・・と思い出し、
悲しみがこみあげてきてしまうことがありました。
この、チョウジゾウの花は、
家の庭で初夏に咲いたもの。
この花を見ても、先生を思い出します。

先生のご実家でも栽培されているらしく、
私たちに作品で使ってもらおうと、ご実家から持ってきてくださったこともありました。
花に真面目に向き合う人には、とても温かく、
私たちに少しでもよい材料を使って勉強してもらおうと、
労を惜しまずいつもどっさりと花材をご実家から運んで来てくださったりもした、本当にいい先生でした。
たぶん、これから、
毎年このチョウジソウが咲くたびに、
先生のことを思い出すんだろうな・・・なんて思います。

もっともっと、色々教えてほしかった。
まだまだ、先生の素敵な作品を見たかった。
もう、先生からご指導いただけないのだと思うと、
本当に寂しくて悲しいけれど・・・
天国から、先生が見守ってくれていると信じて、
頑張っていかなければって思っています。
天国の先生に、
「いい作品を作ったね」
「腕を上げたね」
と言っていただけるように・・・
これからも、励んでいきたい。
自信を無くしかけていた私に、
花を扱うこと、チャレンジすることの、楽しさを教えてくれた、
大切な先生への感謝をこめて・・・

先生を見習って、花と真摯に向き合い、
楽しさを忘れず、
まっすぐに、進んでいこう・・・
突然のお別れの日から、一年。
そんなことを、
秋の野の花を見ながら、思ったりしています・・・
また長々書いてしまいました(笑)。
最後までおつきあいくださり、ありがとうございます。
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